城ヶ島 竜神が淵【川崎市川崎区 石観音】


むかしむかし、180年ものむかし、相州三浦の城ヶ島に竜神が淵というところがあったそうな。
そこには竜が住んでおって、大風や津波、台風が来るという前日にはかならず淵に渦巻きを巻き起こして村人に恐ろしい天災をしらせておった。
権右衛門の娘さちは、竜神が淵の見張り役をつとめておった。
「おーい、大変じゃ淵に渦巻きがおきたよー」とさちが叫ぶと、村人は浜に駆けつけ舟を浜に引き上げたり、屋根に石をのせたり戸板をぶちつけたりして台風にそなえた。
村人は村を守ってくれる竜神をありがたいとおもっていた。
さちは朝と夕に淵の岩に立って水面を見守っていた。
さちは美しかった。
それが夕日に映えるといっそう美しかった。
竜神はいつしかさちに恋心をいだくようになった。できれば夫婦になりたいと思っていた。
が、その心はさちには通じなかった。
さちが二十歳を迎えると、村から江戸に出ている人の世話で、江戸の職人のところへ嫁ぐことになった。
それは天明五年(1485)三月六日であった。
権右衛門夫婦と村人は浜でさちを見送った。
「江戸はすぐそこじゃて、暇をつくって里帰りせいや。こんど帰るときは赤ん坊をつれて来なされや」
さちたちをのせた舟はすべるようにして浜を離れていった。
舟が沖合いに出ると村人は竜神が淵を通って帰っていった。
「さちさんは、いい女子(あなご)じゃ。それはまめに働くで、きっと幸せになれるべ。淵の見張りはまた誰かを探してみるだな」
村人が通り去ったとき、にわかに淵に渦巻きがごぉーっとおこり、水面がむっくむくともちあがり、竜神があらわれた。
目はらんらんと輝き、鱗(うろこ)をたて、沖合い目指して波をけって行った。
それはさちの舟を追っているようであった。
そのとき空はにわかにかきくもり、どす黒い雲が不気味に流れたかと思うと、つむじ風が巻き起こり、雨がザンザザンザと降り大暴風雨となった。大波は噛み付くように、木の葉のようなさちの舟に襲いかかっていった。
あくる朝、恐ろしい一夜が明けると嘘のように晴れた空になった。
だが大師河原の浜には二十七人のいたましい水死体が打ち上げられていた。
大師河原の村の衆は痛ましい姿に目をおおった。そして二十七人の霊を手厚く葬って供養した。
これが今も、川崎市の石観音堂の境内の隅に淋しく建っている「海中溺死者男女塚」という。

川崎市教育委員会 川崎石観音堂 http://www.city.kawasaki.jp/880/page/0000000036.html

図9png

三浦 城ヶ島 小桜姫

🗾Miura

🏯Castle-Island

💠Kozakura-Princess

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